ドロップセットは筋肥大に効果がない。失敗しない筋トレとは【論文あり】

あらゆるセット法の中で、人気が高い方法の1つである、ドロップセット。

“息子”
ドロップセットは「限界まで到達→重量落とす→限界まで到達→重量落とす」をインターバルなしで繰り返すセット法です。

限界を超えて筋肉を追い込めるので、筋肥大に効果的というイメージを持っている方も多いと思います。

しかし「ドロップセットは無駄」「意味ない」という意見があるのも事実です。

そもそも、ジムによってはドロップセットが禁止されていたりしますよね。

実際、ドロップセットは筋肥大に効果があるとは言えません。

この記事では、

・ドロップセットと、その目的

・ドロップセットの効果を調べた研究

・なぜドロップセットは効果がないのか

というテーマを解説していきます。


ドロップセットのやり方・目的(効果)

まずは、ドロップセットそのものについて解説していきます。

ドロップセットの基本的なやり方

ドロップセットのやり方は簡単。例えば、

  1. ベンチプレスを100kgで10回(限界まで)やる
  2. すぐに80kgに落として、また限界までやる
  3. すぐ60kgに落として、また限界までやる

こんな感じ。

重量を落とす幅や「何回ドロップするか」は、人それぞれ。

“息子”
だいたい、3回くらいの人多いですね!

なるべくインターバルをゼロにするよう努力する、というのは共通です。

インターバルが長くなると、それはドロップセットではなくなります。

ドロップセットの目的・効果

ドロップセットの効果・目的としては、主に次の3つがあります。

・成長ホルモンの分泌促進

・限界を超えて筋肉を追い込める

・TUTを長くすることによる、化学的刺激

TUTは、Time Under Tension の略で、筋肉に負荷が乗っている時間のこと。

ドロップセットは、ストレートセット(普通のセット)なら終わりのところを、重量を落として続けるわけですから、TUTは長くなりますよね。

化学的刺激とは、筋肉の成長につながる3つの刺激の1つ

TUTが長いトレーニングは、筋肉をパンプアップさせます。これが、化学的刺激と呼ばれるものです。

他の2つの刺激は、それぞれ「機械的刺激」と「物理的刺激」です。

3つの刺激について、詳しくはこちらの記事をどうぞ。

このように、ドロップセットには3つの目的がありますが、実際にこれらが筋肥大にどれだけ影響を及ぼすかは、疑問が多いです。

詳しくは、後で解説します。

ドロップセットの筋肥大効果を調べた論文を紹介

次は、ドロップセットの効果をエビデンスで紐解いていきましょう。

ドロップセットに関しては、筋肥大に効果的という論文と、そうではないという論文があるので、両方紹介します。

ドロップセットは筋肥大に効果的!という論文

2018年の論文です。

16人の被験者を2つのグループに分け、6週間の間ケーブルプレスダウンを行わせました。

1つのグループは、ドロップセット。もう1つのグループは、ストレートセット(普通のセット)でトレーニング。

公平に比較するために、トレーニングのボリュームは揃えました。

「ボリューム(総負荷量)=重量×回数×セット数」

筋肥大は、基本的にボリュームに比例するため、2つのグループで揃えることが必要になる。

詳しくはこちら: 【低重量で筋肥大】筋トレに高重量は必要ない、の嘘【総負荷量が大切】

結果、

・ドロップセット群は10%の筋肥大
・ストレートセット群は5%の筋肥大

という結果が出ました。

ドロップセット群の方が、より筋肥大していますね。

ちなみに、筋力に関してはストレートセット群の方がより成長したと報告しています。

研究の問題点

この研究には問題もあります。

まず、被験者の数が16人と、少なすぎること。そして、6週間という実験期間は短すぎること。

最後に、対象の種目がケーブルプレスダウンという単関節種目だったことです。

実際のトレーニングでは、メニューの中心は単関節種目ではなく、多関節種目(ベンチプレスやスクワット)になりますからね。

ドロップセットは無駄!という論文

一方で、2017年に発表されたこちらの論文では、上の論文よりは被験者も多く、研究期間も長いです。

また、単関節種目ではなく多関節種目(レッグプレス)を対象にしています。

研究では、32人の被験者を、それぞれ

・ドロップセット
・ストレートセット(普通のセット)
・ピラミッドセット(重量を低高低とピラミッドのように組むセット法)

3つのグループに分けました。

そして、ボリュームを揃えた上でレッグプレスをさせ、12週間後に比較しました。

結果、3つのグループ間で、筋肉の成長に差は見られませんでした。

「ドロップセットはストレートセットと比較して、特に筋肥大に効果的ではない」と結論づけています。

結局ドロップセットは筋肥大に効果あるの?2つの論文から見えてこない背景

2つの論文が、それぞれ真逆の結論を出しているので「結局どっちなんだよ」という感じですよね。

ドロップセットは、基本的には必要ありません。

ここからは、2つの研究から見えてこない背景を解説します。

ドロップセットの「目的」を思い出そう

まず、そもそもなぜドロップセットをするのか、というのを思い出してみましょう。

・成長ホルモンの分泌促進

・限界を超えて筋肉を追い込める

・TUTを長くすることによる、化学的刺激

の3つでしたね。

この3つを踏み込んで考えると、ドロップセットが必要ない理由が見えてきます。

成長ホルモンは、筋肥大への影響は小さい

ドロップセットをすると、成長ホルモンの分泌量が増えることが知られています。

しかし、最近は「成長ホルモンは、筋肥大にほぼ影響しない」というのが通説。

“息子”
ただし、脂肪燃焼効果はあります。

なので、筋肥大を狙う時、成長ホルモンを分泌させるためにドロップセットを入れるのは無駄です。

筋トレで「限界まで追い込む」のは、必ずしも筋肥大に必要ではない

そして、ドロップセットの2つ目の目的である「限界を超えて追い込める」という点。

これも、あまり効果的とは言えないんです

そもそも、筋トレで「限界まで追い込む」のは必須ではありません。

限界まで追い込まずに、その手前でやめたとしても、筋肉は肥大してくれます。

「限界まで追い込むなら」セット数が少なくてもOKというだけで、普通に3~4セットやるのなら、限界まで追い込む必要はないんです。

限界までやる必要すらないのに、ドロップセットで限界を吹き飛ばしても、意味がないですよね。

例外は、化学的刺激を狙う時。つまり、高回数でパンプアップを狙うときですね。

この場合は、限界まで追い込まないと意味がありません。

そこで、ドロップセットの3つ目の目的である「化学的刺激が得られる」につながってきます。

化学的刺激は、それを単独で狙う種目をメニューに組めばいい

上で解説したように、化学的刺激は筋肥大につながる3つの刺激の1つ。これは事実。

そして、その化学的刺激をドロップセットで得ることができます。

しかし化学的刺激は、それ単独で狙う種目をメニューに入れれば充分なんです。

上で紹介した最初の論文では「ドロップセットはストレートセットより筋肥大効果がある」という結論が出ていますが、これはおそらく化学的刺激の有無による差です。

ストレートセット群とは違い、ドロップセット群は化学的刺激を得ることができた分、より大きく筋肥大をしたのでしょう。

問題は、この研究では「ドロップセットとストレートセット」の2択で比較をしていること。

実際のトレーニングでは、2択ではありません。

例えば、みなさん胸トレのメニューはこんな感じで組みますよね。

・ベンチプレス10回×3セット
・ダンベルフライ12回×3セット
・ケーブルクロス15回×3セット

多くの人が、メニューの最後にパンプ狙いの種目(この例ではケーブルクロス)を入れていると思います。

実際のトレーニングでは、このパンプ狙いの種目で化学的刺激を得ることができるわけです。

このように、研究では「ドロップセットとストレートセット」の2択で比較していますが、実際の筋トレではそうではありません。

化学的刺激が欲しいなら、それ狙いの種目を別でやればいい。

わざわざ化学的刺激のために、ドロップセットをやる理由がないんですね。

ドロップセットは、筋肉へのダメージが大きい

ドロップセットは、筋肉にかなり疲労が溜まります。

筋トレは、限界までやると疲労が大きく蓄積され、回復も遅れます

限界を超えて追い込むドロップセットを使うと、筋肉はさらに強いダメージを受けるでしょう。

これは、筋肥大に悪影響です。

筋肉は、やればやるほど成長するわけではありません。

筋肥大と筋肉のダメージは比例しないので、「筋肉の成長に必要な刺激を与えつつ、筋肉のダメージを最小限にする」ことが大切になります。

必要以上の刺激は、筋肉を成長させるどころか、回復を遅らせることで筋トレの頻度が低下する原因に。

結果的に、筋肥大に悪影響となってしまいます。

筋トレは、1つの部位を週2のペースで鍛えていくのがベストです。

詳しくはこちら: 筋トレの最適な頻度・間隔は週に何回?失敗しない考え方をトレーナーが解説

ということで、筋肉に必要以上のダメージを与えるドロップセットは、筋肥大を目指すなら遠回りです。

ドロップセットは必要ない。疲労に見合った効果がない

また、ドロップセットのように「重い重量→軽い重量」と、重量を下げていく方法は、モーターユニットの動員数が減るとされています。

“息子”
モーターユニットは、1本の神経が支配する筋繊維。モーターユニットが減る≒使われる筋肉が減る

結論としては、基本的にドロップセットは必要ありません。

全く意味がないとは言いませんが、疲労に見合った効果が得られるものではないです。

ドロップセットが効果的なタイミング。正しい使い方

最後に、ドロップセットが効果的な2つのタイミングを紹介します。

ドロップセットが効果的なタイミング1: 筋トレする時間がない時・次のトレまで時間が空く時

ドロップセットを使えるタイミングは「筋トレできる時間がない時」で、なおかつ「次に筋トレできるまで1週間以上あるとき」です。

筋トレできる時間が限られているなら、1度に複数の刺激をまとめて与えられるドロップセットは効果的です。

また、次にトレーニングできるまで時間が空くなら、筋肉へのダメージも問題になりません。

とはいえ、このようなタイミングでは、まずレストポーズ法をおすすめしますが。

ドロップセットが効果的なタイミング2: 筋トレがマンネリしてきたとき

普段の筋トレがマンネリしてきたら、違う刺激を入れるためにドロップセットを使うのも手です。

筋トレは、どんな優れたメニューも続けるうちに効果がなくなってしまいます。

そこで、マンネリを打破するための手段として、ドロップセットも使えます。

ドロップセットをやる時の注意点

ドロップセットをやる時は、ダンベルやマシンを使うのをおすすめします。

バーベルでドロップセットをすると、プレートを外すのに時間がかかってしまい、ドロップセットの意味がなくなります。

インターバルをゼロに近づけるために、すぐに重量を切り替えられるダンベルかマシンを使いましょう。

ドロップセットは基本的に必要ない。補助も同じ

というわけで、ドロップセットは基本的に必要ありません。ごく限られた場面でしか出番がないです。

そして、それは補助(フォーストレップ)も同じ。

補助は、潰れた時の安全確保のためにつけるもので、限界までこなした後に、さらに続けるためにいるのではありません

補助も、本質的にはドロップセットと同じ。基本的に必要ありません。

筋トレYouTuberたちがやってるのは、動画向けのノリです。

筋肥大を目指すなら、遠回りになるので注意しましょう。

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