ロジャー・ムーアの呪縛。『キングスマン』と『007スペクター』

007シリーズ24作目、『スペクター』が公開されたのは2015年の年末ですね。もう1年以上経ったのかよ。

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いいか、おれは、物心ついたときからの007ファンだ。

というのも、記憶に残ってる中で、初めて映画館で観た映画が、『007 ダイ・アナザー・デイ』と、『スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』だったわけです。

ヒヨコは、生まれて初めて見たものを、親だと認識するそうですが、まさしく同じ。

映画館から出たときには、もうこの2つのシリーズなしでは生きられない体になっていました。

おれがヒヨコだからだ。

その時、5歳でした。人生が決まった。

それから、次作『カジノ・ロワイヤル』が公開されるまで、シリーズ全作を観たと思います。

NINTENDO64の神ゲー、同名映画をゲーム化した『ゴールデンアイ007』(おれは最後のゴールデンアイ世代だと勝手に自負している)、

PS2の、『ナイトファイア』『エブリシング・オア・ナッシング』などもやりまくりました。

007で学んだスパイ技術を活かし、若干小学校低学年にして既にサンタクロースの正体を見抜いていたおれ。

クリスマスには、007シリーズ全作DVDボックスをくれと頼んだこともあります。

そんなわけで、当然、本作も、運良く試写会が当たったので、観に行きました。

言いたいことは色々ありますが、後ほど書きます。

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キングスマン

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こちらも2015年公開、コリン・ファース主演のスパイ映画です。まずキャストがよかったです。

”神様”サミュエル・ジャクソン、マーク・ハミル、マイケル・ケインなど、素晴らしい役者が揃ってました。

殺陣のシーンとか、全体のノリがすげえキック・アスっぽいな、って思ってたら、スタッフ同じだった。

ところで、ぼくは、クロエ・グレース・モレッツが大好きです。

なんと誕生日はぼくと1日違い。ほんとに結婚してくれ。

前世が何だったらあーゆー人と結婚できるんだろう。逆に。ねり消しかな。

本作の監督のマシュー・ヴォーンさん、もともと『カジノ・ロワイヤル』を監督する予定だったそうで、まあ007にタンカ切ってますよね。

ポスターからもう、『ユア・アイズ・オンリー』のオマージュで、これは圧倒的007リスペクトか、と思ってました。

しょっぱなの雪山の小屋のシーンとかも、昔の007オマージュだな、なんてニヤニヤしてましたが。

あと靴の仕掛けナイフとか。

ところが、

”昔のスパイ映画はよかった。悪役のキャラが立ってたし。”

なんてコリン・ファースが言い出して、

”おおおおおおおおおおおお????”

映画館で完全にブッ飛びました。

”いいんだな!???おまえそんなこと言っていいんだな!!!????これは戦争だぞ!!!!???”

映画自体は、かつての007を思わせる、バカすぎる敵と、バカすぎる秘密兵器が出てきたりとおもしろかったです。

セリフやら殺陣のシーンも、クソかっこよかったです。

それでいて、現在の007を全否定し、ふざけ腐るのが007だと、真っ向からケンカを売ったわけです。

キングスマンがなければ、スペクターはなかった

これは正直、大げさな見出しではあるんですが、おれが言いたいのはこういうことだ。

『ダークナイト』あたりから、コミックとかそういうのを、シリアスに描くのが流行りましたよね。

ただのコスプレ祭りだったのが、歴史的な名作と呼ばれる作品を生むジャンルになったわけです。

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007も例外ではないです。

『ダイ・アナザー・デイ』のいつも通りの、大英帝国の税金を湯水の如く注ぎ込んだ、壮大な一発ギャグから、

『カジノ・ロワイヤル』の落差。

当時、小学生ながらに、”なんだこれ。”と衝撃を受けました。

バカみたいな秘密兵器は出てこない。

超人CGアクションも出てこない。

しかも、親と観ても気まずくない。

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と、”007は、ワニを踏み越えて危機を脱出する映画”だと思いこんでいたぼくには、衝撃的でした。

しかも、その超シリアス路線が大ウケ。

50年以上に渡るシリーズの歴史で、007は、何度かシリアス路線に挑戦したことがあります。

しかし、その度に、興行成績が伸び悩み、お金が全てであるこの現実で、ボンド役俳優が大人の事情により降板するといったことがありました。

そしてまた、コントに戻ることを繰り返してきました。

英国情報局秘密情報部エージェントであるボンド、ジェームズ・ボンドは、任務中常にふざけ腐ることを義務付けられた、孤高のスパイだったのです。

相手が世界征服を企んでいる悪い悪い相手だったとしても、ちゃんと自己紹介をしなければならなかったのです。

どんなときでも、笑いを取る必要があるので、その任務は時に、現実のスパイより過酷です。

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『ブリッジ・オブ・スパイ』なんか目じゃない。

対抗できるのは、スネークぐらいでしょう。

ある意味、呪いとも言えるこの連鎖を断ち切ったのが、『カジノ・ロワイヤル』と、6代目ボンド、ダニエル・クレイグでした。

ギャグなしの、マジのスパイを見せることに007の歴史で初めて成功したのです。

次作『慰めの報酬』(よく批判されるけどおれは大好き)、そして『スカイフォール』で、クレイグ版007は、真骨頂に達します。

満を持して迎えた、今作『スペクター』。

おい!!ブロフェルド帰ってくんの!!??

と、真面目になったボンド同様に、スペクターも真面目になって復活すると期待していました。

しかも敵役は我らがバティスタ

まさかボンドにバティスタボムが炸裂する日が来るとは。。。。と感無量でした。

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そしてクリストフ・ヴァルツ。『イングロリアス・バスターズ』で、ぼくの”神様リスト”入りをした俳優です。

とかなり期待してみましたが、終わってみれば、

”どうしてこうなった。”

なぜ。脚本演出設定、全てがなぜ。の嵐。

なぜだ。どうしてもシリアスはだめなのか。

ジェームズ・ボンドは、どうしても真面目になれないのか。

これがロジャー・ムーアの呪縛か。ボンドの宿命か。

思えば、冒頭に”ガン・バレル”が復活した時点で、覚悟すべきだったのかもしれません。

もしくは、タイトルが発表された時点で。

エンドロールが終わるまで、唖然としてました。

もちろん、ムーア時代の、やる気、緊張感ゼロのボンドは大好きです。

むしろ、あれが真の007でしょう。

ただ、クレイグがボンドでいるうちは、シリアスでいて欲しかった。

007を真面目にできるのは、この人しかいないかもしれないから。

だからさ、別に今ふざけなくてもいいじゃん。

なんだよ今更あのブロフェルドの傷。バカかお前。

アメコミ界でも、『バットマンvsスーパーマン』『スーサイド・スクワッド』で、『ダークナイト』は、完全に忘れ去られました。

そして、スパイ映画。『キングスマン』のムーア的なノリ。

緊張感のなさ。おバカな敵に、おバカなスパイ。秘密兵器。

ラストシーンは、♡♡♡。

『スペクター』は、これらの映画による、脱シリアス時代の成れの果てか。

シリアスは死んだのか。

ロジャー・ムーアの呪い?

いや、これはロジャー・ムーアの呪いなんじゃないか。

もしくは彼が黒幕なのかもしれないですね。

”おい!メンディー!(サム・メンデス) わかってるよな?ん?最高のボンドは誰だ?”と。

どこかで彼がほくそ笑んでる気がしたのであった。

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