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文字通り”命をかけた演技” 『ダークナイト』ヒース・レジャーの狂気

役にのめり込むあまり、命を落としてしまう。

信じられないような話ですが、現実に起こる話です。

映画やドラマの歴史を振り返ると、どう考えても”ヤバい”としか思えない演技をする役者がいます。

 

『タクシー・ドライバー』のロバート・デ・ニーロ

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アンソニー・ホプキンス演じるハンニバル・レクター博士

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『ブレイキング・バッド』からブライアン・クランストン

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『バトル・ロワイアル』の北野武(天才)

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そして今回紹介するヒース・レジャー。

彼は、『ダークナイト』における演技で絶賛され、アカデミー賞助演男優賞を受賞します。

しかしヒースは撮影終了後に、睡眠薬の過剰摂取で亡くなってしまっていました。

今回は、彼に一体何が起きたのか、紹介していきます。ネタバレなしです。

『ダークナイト』出演まで

 

オーストラリアで1979年に生まれたヒース・レジャー。地元で育ちますが、12歳の時に親が離婚。母親と共に暮らします。

その後、高校を17歳で飛び級卒業し、俳優としての道へ。

90年代は、オーストラリアでドラマと映画に出演し、キャリアを積みました。

 

そしてアメリカに渡り、2005年『ブロークバック・マウンテン』での演技で評価され、アカデミー賞助演男優候補となるなど、活躍します。

ダークナイトもヤバいけどブロークバック・マウンテンもやばい。

それまでは、よくいるイケメン俳優みたいな扱いだったのが、これ以降演技派として評価されるようになります。

マッドマックスのリブートでマックス役で起用されるという話もありましたが、そもそもマッドマックス自体公開されたのが結局その10年後になったので、うやむやに。

ジョーカー役での狂った演技

 

そして、アメコミの枠をぶっ壊した歴史的作品に出演します。

クリストファー・ノーランが新たに作り上げたバットマンシリーズであるダークナイト・トリロジー2作目の『ダークナイト』で、ジョーカー役としてキャスティングされました。

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アメコミの中でもトップクラスの人気を誇る悪役であり、ストーリーの中心となるジョーカー。

ティム・バートンが監督したバットマンでは、ジャック・ニコルソンがこれまた素晴らしい演技で、この”狂人”を演じました。

そんなわけで、ヒース・レジャーがダークナイトでジョーカーを演じることには賛否両論あり、当初はそれほど期待されていなかったと言ってもよいでしょう。

 

しかし、いざ公開されてみると”ヤバすぎる” "いかれてる” ”恐い”などその怪演には絶賛の嵐。

上にも書いたように、オスカーも受賞。

それまで、”コスプレごっこ”の延長だったアメコミ映画の枠をブチ破りました。娯楽映画のくくりを超え、お堅い顔した評論家ですら真面目に観るようなジャンルになったのです。

ダークナイトがなければアベンジャーズなんか存在しません。

本当に歴史が変わりました。

 

このwhy so serious?の有名なシーン。怪演とはまさにこのこと。

www.youtube.com

この映画が公開されたのは、ぼくが中学生の時でした。

それまで”演技がうまい”というのがピンときていなかったんですが、このヒース・レジャーの演技で”うまい演技”とは何か?をこれでもかというほど叩きつけられました。

 

彼はジョーカーを演じるにあたり、徹底的な役作りに挑みました。そこで彼が取り入れたのが、メソッド演技法と呼ばれる方法です。

メソッド演技法が死に追いやった?

 

メソッド演技法とは、1940年代に確立された演技法です。

通常の演技のように、ただその都度、声調、表情などを表面的に演じるのとは違い、徹底的に役に入り込むことによって、その役柄を追体験し、より自然でリアルな演技を目指すものです。

そのために、徹底した役作りが行われます。その役柄についてのかなり踏み込んだ下調べや体型などの再現、声色を近づけるなどの作業をします。

 

メソッド演技法でなくても、プライベート・ライアンなど役作りのために役者に役柄の実体験をさせたりすることはありますが、そんなレベルじゃないんですね。

もっともっと深く踏み込むのがメソッド演技法です。

この技法には賛否両論あり、役者の表現力が充分に引き出されないといった指摘や、演技全体がアドリブに近くなってしまうことから、批判も多くあります。

また、厳しい役作りで徹底的に役に入り込むため、俳優の精神に大きな負担をかけることも問題とされています。

 

ヒース・レジャーは、ジョーカーの役作りのために、撮影前に1ヶ月間、ホテルにこもり、自分が理想とするジョーカーの表情から何まで完璧に再現しました。

あの独特の笑い声も、この1ヶ月間で生み出されたのです。

 

そして、映画の撮影中から不眠症に悩まされるようになりました。酷いときには、1晩に2時間ほどしか眠れなかったようです。

そのうち睡眠薬に頼るようになり、撮影終了後、公開を待たずして亡くなってしまいました。28歳でした。

 

薬の過剰摂取が死因ではなく、複数の薬を組み合わせて服用したのが死因となったようです。

メソッド演技法を用いて半端じゃない役作りをした後、このようなことが起きてしまったため、今でもジョーカー役が死の一因となったとも言われています。

実際に映画を観れば分かりますが、本当に狂ったような、引き込まれる演技です。本当に文字通り命をかけて挑んだ作品と言えます。

Heath Ledger - Incredible Acting - YouTube

The Joker Pencil Trick &Mob Scene - YouTube

まとめ

 

映画史に残る演技というのは数多くありますが、間違いなくヒース・レジャーのジョーカーも歴史に残るものです。

28歳と、俳優としてもまだまだこれからという時期に亡くなってしまったのは、悔やまれます。

まだ観たことがない人は、ぜひ観てください。魂の演技です。

Netflixでも観れます。またダークナイトを観る前に、前作の『バットマン・ビギンズ』を観ることもおすすめします。

3作目の『ダークナイト・ライジング』と違って、別に観なくても楽しめるんですが、観ておいたほうがバットマンの心情が分かるので観たほうがいいです。