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ダイナマイト息子

スクワット原理主義者

伝説のドラマ、ブレイキング・バッドを絶対観るべき4つの理由。あらすじも。

どこにでもいる、冴えない高校の化学教師。毎日生徒たちに、ナメられっぱなしの彼の裏の姿は、伝説の麻薬王だったーー

 

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アメリカで2008年に放送開始。

 

2013年に、最終シーズンであるシーズン5の放送が終わり、4年近く経った今でも、絶大な人気を誇るドラマ。

 

それが『ブレイキング・バッド』。

 

ドラマ界のアカデミー賞である、エミー賞で、作品賞に5度ノミネートされ、2度受賞。

 

ギネス世界記録に、”史上最も評価されたドラマ”として認定されるほどの本作、いったい何がそんなに面白いのか。

 

今さら解説します。

 

ちなみに、作家の村上春樹さんも、本作を絶賛しています。

 

 

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世のハルキスト達も、一旦スタバで『騎士団長殺し』のページをめくる手を止め、ブレイキング・バッド観ましょう。

 

 

あらすじ

本気出した中年は、止まらない

あらすじは、こうです。

 

どこにでもいそうな、ハゲ散らかした教師が、突然”肺ガン”の宣告を受けた!

 

絶望した彼は、気を取り直し、家族に金を残すため、覚せい剤の密造に手を染めることになった。。。

 

という感じ。

 

波平が、癌になって、ギャングになるようなもんです。

 

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タイトルの”ブレイキング・バッド”は、”グレる”という意味。

 

どこまでも突き進む、中年の暴走をテーマにしたドラマです。

 

中二病をこじらせた諸君なら、”学校では毎日ぼっち飯だけど、裏の俺はヤンキー界で、知らねえやつはいない有名人なんだぜ。。”

 

とか、”職場では、上司に、取引先に頭下げてばっかだけど、もう1人のオレにかかれば、お前らなんか。。。”

 

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と思ったことがあるのではないでしょうか。

 

このドラマでは、それが現実になります。

 

あらすじは分かったけど、別に面白くなさそう。。

”えーー、ドラッグ?癌?なんか暗そう。重そう。

 

あらすじを読んで、こう思った方もいるかもしれません。

 

このドラマは、全くもって、”肺ガンを患ったオッサンが死ぬまでの、4ヶ月間の家族の記録”みたいな、お泣かせのドラマではありません。

 

確かに、若干暗い雰囲気の場面もあります。

 

しかし、全体的には、なぜか重く感じることはないのです。

 

むしろ、明るさすら感じられます。

 

それは、個々のキャラの濃さと、神がかり的な脚本、演出があってこそ、なのです。

 

キャラが濃すぎ

 

もうみんなキャラが立ってるのなんの。

 

ウォルター・ホワイト

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主人公の化学教師、”ウォルター・ホワイト”。

 

このおっさんが、どんどんワルになる。

 

最初は、真っ先にオヤジ狩りの対象になるような、ナヨナヨした情けない中年でした。

 

それが、気づけば、顔見ただけでウ◯コ漏れそうな、いかついギャング達と渡り合っていくんですよ。

 

それも、誰にも気づかれないうちに。

 

ジェシー・ピンクマン 

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名前からして”なんだお前”と言いたくなるようなジェシーは、ウォルターの相棒です。

 

口癖は、”ビッチ”。

 

元々ウォルターの教え子だった彼は、高校時代から素行が悪く、卒業後も、地元でブラブラしていました。

 

そんな時、あるきっかけで、ウォルターと手を組み、ドラッグの密売というビジネスを共に広げていくことになります。

 

ウォルターとの年齢差は、親と子のそれ。

 

ところでみなさん、”おっさんの科学者”と、”チャラチャラした若者”の組み合わせ、なんか見覚えありませんか?

 

そうです。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の、ドクと、マーティです。

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この2人、組み合わせは、”ドクとマーティ”でも、やってることは全く違います。

 

”過去に行って、父親と母親を付き合わせないと!!!!”なんて生ぬるい話じゃあないんです。

 

”ウォルターとジェシー”は。

 

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スカイラー・ホワイト

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スカイラーは、ウォルターの嫁です。年は10歳下。

 

これが、またよくありがちな妻”。

 

ウォルターが仕事から帰っても、何かしら小言の嵐。THE更年期障害。

 

妹のマリーと揉めたりすると、もうめんどくさい。

 

”女って、めんどくせえ。。。”の典型です。

 

ガス・フリング

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フライドチキン屋をやってる、気のいいおっさん。

 

チャリティにも積極的に参加したり、地域の住民は、みな彼を”いい人”だと思っている。

 

その裏の顔は、泣く子も黙る、ギャング。

 

辺り一帯のドラッグの流通を牛耳っている男。

 

”いい人”である表の顔とは裏腹に、裏の彼は、血も涙もないおっさん。

 

必要なら、平気で人を殺す。部下だろうがなんだろうが殺す。

 

ソウル・グッドマン

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悪徳弁護士。ソウル・グッドマンとかいうけど、全然グッドなソウルしてない。

 

悪徳弁護士なのに、存在がギャグ。なんかウケる。

 

あまりにもウケすぎて、『ブレイキング・バッド』本編終了後に、彼を主人公としたスピンオフ、『ベター・コール・ソウル』が放送開始。

 

悪いのに、なんか憎めない男。

 

脚本が、ヤバすぎ。

このドラマ、シーズンが進むにつれ、ドンドン面白くなっていきます。

 

普通、人気の海外ドラマは、テレビ局が、脚本を引き伸ばし、しゃぶれるとこまでしゃぶりつくすのが当たり前です。

 

そうすると当然、シーズンが進むごとにつまらなくなり、視聴者数は減っていきます。

 

そして、最後は打ち切りに近い形で終わる。これが海外ドラマのテンプレです。

 

ところがこの『ブレイキング・バッド』、そんな野暮なことはしません。

 

シーズン3まで制作された当時、人気絶頂のさなか、制作陣は、シーズン5での完結を宣言しました。

 

一切引き伸ばしがない。むしろ、シーズンが進むごとに、緊張感は増し、おもしろくなる。

 

そんな完璧な脚本もあり、シーズンが進むごとに、視聴者はうなぎのぼり。

 

 

何より、シリーズを通して、張り巡らされた伏線。

 

思いがけないタイミングで、”あーーー!!あの時のアレか!!!”の連発。

 

何気ないシーン一つが、あとで大事件に発展。

 

『ブレイキング・バッド』ほど、脚本が優れているドラマは、他にないです。

 

視聴者は、何度も怒涛のカタルシスを味わうことになります。

 

1話先ですら、読めない。何が起こるか分からない。

 

俳優の演技が神。

 

『ブレイキング・バッド』、俳優たちの演技が、半端じゃないです。

 

特に、主役である、ウォルター役のブライアン・クランストン、相方ジェシー役のアーロン・ポールの演技は、絶賛の嵐。

 

エミー賞では、主演男優賞を3回、助演男優賞も同じく3回受賞しています。

 

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本当に素晴らしいの一言。『ブレイキング・バッド』の主演が、ブライアン・クランストンではなかったら、このドラマの評価は変わっていたでしょう。

 

どこにでもいる、しがない化学教師が、悪に染まっていくその変貌っぷりを、これ以上ない演技力で表現しています。

 

目がやばい。目が。ホンモノにしか見えない。

 

その他のキャストも、みんな本当に演技が上手。

 

 

このドラマは、製作総指揮のヴィンス・ギリガンというおっさんが、有名な俳優は使わない、という方針で、キャスティングをしました。

 

大当たり。

 

善と悪の境界って、なんだ?という問いかけ。

 皆さんの中では、善と悪の境界って、出来てますか?

 

いきなり人をぶん殴るのは悪。

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ズラを被ったハゲに、いきなり ”おいお前ズラだろ(笑)”などと言うのも悪。

 

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”おまえのものは俺のもの、俺のものも俺のもの。” 悪。

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残念。こんな”自分の中での善悪の境界線”なんてのは、全部ぶっ飛びます。

 

 劇中でウォルター達が手を染める諸々は、それだけ見れば、”悪”です。

 

覚せい剤なんか許されるはずがない。清原はどう考えても犯罪者です。

 

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でも、視点を変えてみると?

 

”もし自分がウォルターの立場だったら?”

 

極限の状況下、自分と家族の命を守るためなら、人を殺していいのか。

 

自分なら殺せるのか?

 

また、そもそもウォルターが、覚せい剤の密売に手を出したのは、”癌に冒され、もう長くない自分が、家族に金を残すため”、です。

 

私利私欲のためではないのです。少なくとも最初は。

 

アメリカでは、カネがないことは、死を意味します。

 

国民皆保険制度がないアメリカでは、自分で高い金を払い、保険に入るか、自費で治療を受ける他ないからです。

 

アメリカの平均寿命が、先進国中、最悪レベルなのは、これが主な原因です。

 

また、大学の学費も、日本とは比較にならない高さです。

 

”カネがない?じゃあ死ね。” これがアメリカ。

 

じゃあ、せめて死ぬまでの間に、なんとか金を作りたい。息子を大学にも送ってやりたい。

 

こんなしがない自分が、唯一誇れるのは、化学の知識。

 

その化学で、短期間で莫大な金を儲けるには、方法はひとつ。

 

ドラッグです。

 

どうでしょう。これが100%悪だと断言できますか?

 

物語が進むごとに、ウォルターはどんどん変貌していくので、さらに”善悪の境界線”は、曖昧になります。

 

『ブレイキング・バッド』では、こういう、視聴者の心を揺さぶる場面が、何度も何度もあります。

 

まさに、華やかなアメリカンドリームの裏で、”アメリカの抱える闇”を体現しているドラマと言えます。

 

絶対に後悔しない。このドラマ。

本当に面白いドラマです。

 

いくら説明しても、実際に観てみないと、この面白さは伝わりません。

 

数々の”食わず嫌い”が、”一度観てみたら、ヤバイ面白さだった”と、虜になっていきました。

 

現在、『ブレイキング・バッド』が観られるのは、Netflixだけです。

 

以前は、Huluでも観られたのですが、大人の事情で消えた。

 

Netflixでは、上にも書いた、『ブレイキング・バッド』のスピンオフ、『ベター・コール・ソウル』も観れます。

 

ところで、僕は高校生の時に、初めてこのドラマを観ました。

 

当時の化学の教師も、ウォルターみたいにハゲていたので、”先生、メタンフェタミン (劇中でウォルター達が作る覚せい剤) 作れますか?”

 

と聞いてみました。

 

”作れません。”

 

と返されました。

 

その学期、化学は赤点でした。